株式会社グローバル・プランニングの代表取締役の金賢守(キムヒョンス)と申します。
今回は上場企業と非上場企業の違いについてお話します。
普段から就職相談を受けることも多く、特に企業を選ぶ際は上場しているかどうかを気にする方もいらっしゃいます。
有名な企業であれば上場しているといったイメージを持つことがありますが、飲料水やアルコール販売メーカーの中でも国内でトップクラスの大手企業として知られるサントリーは、実は非上場の企業です。
日本人なら知っている方がほどんどというほどの大手企業にも関わらず、なぜサントリーは上場しないのか気になりませんか?
上場企業と非上場企業の違いは、株式を証券取引所に公開しているかどうかです。
そのほかにも、以下の点で違いがあります。
記事を作成する際に参考にしたサイトは、https://www.nihon-ma.co.jp/columns/2024/x20240423/です。※注1
・資金調達の選択肢
上場:一般の投資家から公募増資などを通じて広く資金を調達しやすい
非上場:金融機関からの融資が中心
・情報開示と透明性
上場:金融商品取引法に基づき決算情報や事業計画などを定期的に公開する義務があり、株主は幅広く不特定多数であることがほとんどのため、意見が通りづらい
非上場:株主が経営者とその一族や主要な経営陣を中心に構成されている株主の意見が通りやすく、経営情報は外部に公開されないことが多い
・経営の柔軟性
上場:不特定多数の株主によるさまざまな意見に耳を傾ける必要があり、株主に配慮しながら経営方針を決めえう必要がある
非上場:オーナー経営者である場合が多いため、経営者の意思が会社経営にダイレクトに反映されやすい
さて、サントリーが上場していない理由としてサントリーの公式HPには以下のように記載があります。
『サントリーはウイスキーやワイン事業に代表される長期的・継続的な投資が不可欠な業態のため、短期間での業績向上や投資回収が重視される上場企業への道は選択していません。』※注2
上記のようにありますが、サントリーが非上場でいる理由はいたってシンプルで、上場する必要がないからだと思います。
サントリーはこれまで自ら資金を捻出して会社を作り上げた創業者一族が経営を担っており、上場による資金調達を必要としていませんでした。
飲料業界でも最大手としてのポジションをキープできているため、わざわざ巨額を投じてまで上場し、資金を集める必要がないということで非上場を貫いているそうです。
いかがでしたでしょうか?
上場というと、華々しいイメージがありますがメリット・デメリットも当然あります。
大手企業の中には、あえて非上場でいることを選択する企業もいます。
就職や転職をする際に「上場企業の方が何となく良さそう」と思われる方もいらっしゃいますが、必ずしも非上場=中小企業、経営が不安定という訳ではありません。
大切なのは自分が得たい結果のために正しい知識を得た上で、必要なキャリアを選択することだと考えます。
より多くの人のキャリア設計に力添えできればと思い、今後も投稿していきます。
注1)日本M&Aセンター M&Aマガジン「なぜ非上場企業が増えている?上場と非上場の違いを解説」上場企業と非上場企業の違い
https://www.nihon-ma.co.jp/columns/2024/x20240423/
注2)水と生きるSUNTORY 「サントリーグループのサステナビリティ 対話と評価 社会との対話 組織統治」非上場企業としての組織統治の在り方について
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