株式会社グローバル・プランニングの代表取締役の金賢守(キムヒョンス)と申します。
最近、「【速報】2024年の倒産件数“1万件超” 11年ぶりの高水準 焼き肉店など飲食業の倒産は過去最多 」という記事を見かけました。※注1
これはどうやら前年(2023年)の8497件から約15%の増加であり、3年連続の増加傾向が続いているようです。
今日は一経営者として、なぜこのような状態に日本がなっているのか考察していきます。
倒産増加の主な要因の考察
- 物価高騰
円安基調の継続により、輸入コストが上昇し、企業の利益率が圧迫されています。
特に中小企業にとって、原材料費やエネルギーコストの上昇は大きな負担となっているのではないでしょうか?
小売価格などの増加など対策を打っているいる企業も増えていますが、経営判断として価格を上げるのに踏み切るのにも勇気が必要ですし、原価分を上乗せしているだけで、利益率の改善には繋がらない状態になっているので根本解決を見いだせていない企業が多いのだと思います。
- 人手不足と人件費の上昇
労働市場のひっ迫により、人材確保が困難となり、人件費の上昇が企業経営を圧迫しています。
また、求人獲得のコストも毎年上がっています。
需給関係でコストが上がっていることもあり、一人当たりの生産性があがったわけでもないので、人件費上昇分の利益を得られていないというのも課題として上げられるのではないでしょうか?
DX推進をしている企業が増えている中で、人に業務を頼りすぎている企業が苦しんでいる印象です。
- 新型コロナウイルス支援策の終了
政府によるコロナ関連の支援策が終了し、ゼロゼロ融資の返済負担が企業の資金繰りを厳しくしているのも要因かと思います。
コロナ化で融資を受けるのは簡単になりましたが、売上が回復せずに返済が始まって財務状況を圧迫したのだと思います。
今後の展望
2025年1月の倒産件数は830件で、前年同月比18.6%の増加となり、33カ月連続で前年同月を上回りました。
この傾向が続く場合、2025年度も高水準の倒産件数が予想されます。
企業は引き続きコスト管理や人材確保の戦略を見直し、経営の安定化に努める必要があるのではないでしょうか?
まとめ
2024年の企業倒産件数の増加は、物価高、人手不足、支援策の終了など複数の要因が重なった結果と考えられます。
企業はこれらの課題に対応するための戦略を強化し、持続可能な経営体制の構築が求められています。
これから就職や転職を考えていく方も、一つの企業がずっと続くという時代ではなくなりました。
企業の戦略を自分で調べることや会社だけに頼らない収入も検討していくなど、自己責任で選択をしていく必要があるかと思います。
注1)TBS NEWS DIG Powred by JNN「【速報】2024年の倒産件数“1万件超” 11年ぶりの高水準 焼き肉店など飲食業の倒産は過去最多 物価高や人手不足背景」
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